アイちゃんの話(ヒナ編)


船長兄貴とうちへ来て三ヶ月位のアイちゃん。

うちのアイちゃん♂(本名アイアイサー)は
先住鳥である船長♂のご学友として1997年の3月に我が家にやってきました。
なぜお嫁さんではなくご学友か、というと
「うちの可愛いセンちゃんをお嫁さんに取られるのがイヤ!!」という
何ツーかまぁずいぶんアレな考えの飼い主の思想に基づくものでした。

アイちゃんは我が家にやってきたときはもう既に
生まれて約三週間と半は経っていたかと思います。
羽はほぼきれいに生え揃っていて、
ショップの人が言うにはジャンボセキセイと普通のセキセイのハーフだそうで
「餌もよく食べてるし、大きくなるよ!」とのことでした。
まぁ、でかさとかはどーでもよかったんですが
オーストラリアパイドのスカイブルーだったので
その白い天使のような羽が私の心をわしづかみにしたのでした。
本当に天使のようにきれいな子でした。

そんなこんなでうちに来たアイちゃんでしたが、
困ったことに餌をほとんど食べてくれなかった。
今まで育てたセキセイは、大抵食らいつくように餌をモリモリ食べてくれていたので
コレにはほとほと弱りました。

私が東京に出てきて初めて飼ったセキセイがやはり餌を食べてくれず
その頃は、お医者に連れて行くという知恵が回らず、
買ったペットショップなどに相談したりしたんですが
結局、残念ながら一週間ほどで落鳥させてしまったことがあったので
その嫌な思い出が頭の中をよぎりました。

そうこうしているうちに、ついに足に力が入らなくなってしまったアイちゃん。
コレはまずいと、船長がその頃掛かっていたお医者さんに直行しました。

やはり脚弱症になりかけていました。
すっかり痩せてしまって、栄養失調状態でした。
その病院で強制給餌のやり方を教わり、道具を貰い家で実行することになりました。
フォーミュラーの粉末の餌を溶いて
トリミックス(赤い鳥用のビタミン剤)とカルシウム剤を加えて
注射器で吸い取り、チューブをそのうまで直接入れての給餌。

ハッキリ言って泣きそうでした。
アイちゃんは当然身悶えして嫌がるし
嫌がるからといって、コレやらないと死んじゃうし。。。。
心を鬼にして、半分泣きながら口からチューブをそのうに突っ込んで
言われた分量(確か2CCだったと思います)を流し込む。

アイちゃんもとても苦しかったんじゃないかな。

でも、強制給餌の甲斐があって
その後一週間ほどで握力が戻ってきて
握力はちょっと弱いけど、元気な子に育ちました。

あの時、ちゃんと鳥を診れるお医者さんを知っておいて
本当によかった、と今でも思います。